あけましておめでとうございます。
旧年中はコミネスをお引き立ていただき、誠にありがとうございました。
新しい年も、さまざまな魅力的なラインナップを用意して、みなさまをお待ち申し上げます。
なにとぞよろしくお願いいたします。
昨年は経験したことのない緊急事態に、世界中が息をひそめてじっと我慢をするしかない一年でした。
文化・芸術分野も、さまざまな企画・公演が中止、延期を余儀なくされ、再開してからも、入場率の制限や、手指消毒、マスク着用、検温、換気など、たくさんのことをクリアしながらの開催が続いています。アーティストたち・演奏家たち・各芸術文化団体・そして劇場にとっても、こんな経験をすることはまったくの想定外でした。
同時に「文化・芸術は不要不急か?」という論議がかわされるなど、感情的な逆風にさらされることもありました。
科学的な根拠に基づいた規制であるなら納得もしますし、出来る限りの対策もし、リスクが高ければ中止対応もします。しかし、「非常事態なのに、呑気に文化活動や芸術鑑賞なんて」という内容の発言があったことは、文化・芸術分野に対する、あまりの無理解、無知さに驚くばかりでした。
この世界で暮らしている限り、日々、すべての人が、文化活動や芸術作品になにかしらの形で触れているはずですし、美しいと感じたり、驚いたり感動したり、感情が揺り動かされた経験もあると思うのです。そしてそれは自分の心のどこかに残り、時には支えになってくれたりしていると思うのですが・・。
文化・芸術関係者たちは、ドイツのメルケル首相がいちはやく表明したコメントに励まされ、これが世界共通の考えであれと願いつつ、それを支えに乗り越えてきました。
メルケル首相の演説の大意は次のようなものです。
「文化的イベントは、私たちの生活にとって何よりも重要です。コロナ禍の今こそ、失ったものの大切さに気付くかもしれません。文化的イベントが表現するものは、(現代を生きる)私たち自身です。私たちは芸術文化によって、過去を理解したり未来を見る視点を得るのです」
劇場は、単に舞台芸術をお披露目する場所ではありません。それを、観客の皆様ひとりひとりに、“どう届けることができたか。何を感じていただけたか。何を残すことができたか。”を常に意識しリサーチし、それを“糧”として歩んでいます。
「久しぶりに聴いた生の演奏、本当に素晴らしかった!」・・・お客様のその一言がコミネス一同の励みです。
新しい年、また新たな気持ちで、そしてしっかり気を引き締めて皆様をお待ちしたいとおもいます。
今年も、「白河文化交流館 コミネス」をよろしくおねがいいたします。