令和6年度 (公社)全国公立文化施設協会 主催『松竹特別歌舞伎』
演目

あらすじとみどころ
◆中村獅童のHOW TO かぶき
江戸時代より四百年以上続く歌舞伎。「観てみたいけど難しそう」「観る前に知っておいた方がいいことはあるの?」 などの疑問にお答えしたり、俳優が化粧をし、衣裳を着け、鬘(かつら)をかけてお芝居の登場人物へと変身していく模様を実際にご覧いただいたりと、盛りだくさんの内容でお届けします。お子さまや歌舞伎初心者の方にもお楽しみいただけるよう、歌舞伎ファンの方にはより興味をもっていただけるよう、歌舞伎ならではの表現方法や約束事を分かりやすくお話しいたします。
◆鞘當
桜が満開の江戸吉原仲之町。華やぐ廓のなかでもひときわ目を引く、雲に稲妻模様の羽織着流し姿の不破伴左衛門と、雨に濡れ燕模様の着物の名古屋山三がやって来ます。二人はすれ違い際、腰に差した互いの刀の鞘が当たったことから斬り合いとなりますが......。 荒事味ある伴左衛門と和事味漂う山三、対照的な演技と風貌の二人による「渡りぜりふ」が聴きどころです。歌舞伎の色彩美と様式美に富んだ華やかな一幕をお楽しみください。
◆供奴
主人のお供で新吉原へやって来た奴が、威勢のいい掛け声とともに、大きな提灯を掲げて勢いよく駆けて来ます。奴は主人の姿を探しながら、主人の伊達で粋な様子を自慢げに語り、その姿を真似て得意気に踊ります。 軽快な音楽とキビキビとした奴の動きが心地よい舞踊で、特に三味線と鼓に合わせて足拍子を踏む場面が一番の見どころです。
◆橋弁慶
武蔵坊弁慶は、京の五條橋を渡る者に斬りかかる少年の噂を聞き、自らが退治しようと橋へ向かいます。やがて、弁慶の前に牛若丸が現れると、弁慶は薙刀をふるって挑みますが、牛若丸は攻撃を軽やかにかわし、翻弄します。とうとう打ち負かされた弁慶は、主従の契りを交わし、牛若丸の家臣となるのでした。弁慶と後に源義経となる牛若丸の出会いを題材にした作品で、勇猛な法師の弁慶が、優美な牛若丸に翻弄される立廻りが見どころです。弁慶を獅童、牛若丸を陽喜が勤める、親子共演にも注目です。

プロフィール
中村 獅童 なかむら しどう(萬屋)

1972年9月14日生まれ。初世中村獅童の長男。祖父は三世中村時蔵。81年6月歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』御殿の豆腐買おむらの娘おひろで二代目中村獅童を名のり初舞台。
中村種之助 なかむら たねのすけ (播磨屋)

1993年2月22日生まれ。中村又五郎の次男。98年10月国立劇場『佐倉義民伝』宗吾次男徳松で初お目見得。99年2月歌舞伎座『盛綱陣屋』の盛綱一子小三郎盛清で初代中村種之助を名のり初舞台。
中村 陽喜 なかむら はるき (萬屋)

2017年12月18日生まれ。中村獅童の長男。22年1月歌舞伎座『祝春元禄花見踊』の奴喜蔵で初お目見得。24年6月歌舞伎座で初代中村陽喜を名のり初舞台。
中村蝶紫 なかむら ちょうし (萬屋)

1969年生まれ。93年4月歌舞伎座『元禄忠臣蔵』大石最後の一日の細川家諸士で中村蝶紫を名のり初舞台。2002年1月から中村獅童一門となる。07年12月歌舞伎座『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の日本人遊女松島で名題昇進。
澤村國矢 さわむら くにや (紀伊国屋)

1978年生まれ。88年7月歌舞伎座『義経千本桜』の子狐で本名で初舞台。95年5月金丸座『吉田屋』の吉田屋の若い者で澤村國矢を名のる。2010年2月歌舞伎座『籠釣瓶花街酔醒』の若い者千吉で名題昇進。
中村獅一 なかむら しいち (萬屋)
